九州出店の歴史

Episode 1

はじめまして、九州。
イズミ、新天地へ

ゆめタウン遠賀は1995年3月23日にグランドオープン。
ゆめタウンが九州への出店に舵を切った理由は、大型店がほとんど進出していない「未開拓の地」という可能性でした。広島県を拠点に、中国地方で展開してきたゆめタウンにとって、九州は異文化の地です。食品については70%を九州から仕入れるなど、地域に合わせて、店舗の運営体制や環境に変化を加えました。また、オープン前には半年間にわたるモニター会を実施し、お客さまからのご意見をいただきながら、九州と広島の味の違いを学びました。
ゆめタウン遠賀の誕生は、九州という新しい地での出店だけでなく、ゆめタウンの姿勢を一新するきっかけとなりました。この経験を通じて、文化の多様性や共存共栄の大切さに気づき、地域密着型の取り組みはさらに進化していきます。

• 1990年

  

• 1995年

  

• 2015年〜現在

  

「風船のように、夢がふくらむイメージ」を描いた初代ロゴは、1995年の九州出店の際にリニューアルされましたが、その想いは受け継がれています。2015年からは「town」も取り、よりシンプルで力強いロゴへと進化しました。

Episode 2

初のM&A。ニコニコドー
からゆめタウンへ

長年の業績不振に悩まされていた熊本県のニコニコドー（運営：株式会社ニコニコ堂）。ゆめタウンを運営する株式会社イズミは、再建支援するために業務提携を結び、初のM&Aを実施。5店舗を受託し、これらを「ゆめタウン」と改称して再オープンしました。
店舗の受託に際し、地元社員の方々を不安にさせないような試みも行われました。100人以上の地元社員に対して個別面接を行い、イズミの目指す方向性や処遇を丁寧に説明。また、開店時間の変更なども地元社員の意見を尊重し、総意を得て決定しました。元々の仕入先とも、地元社員の協力を仰ぎながら、信頼関係を築いていきました。仕事における考え方の違いや制度の違いは存在し、その融和には時間がかかりましたが、異なる企業文化同士を、理解し、理解してもらうという努力は、着実に実を結んでいきました。

ゆめタウンシティモールに、荒尾市立図館がオープン。105,000冊の蔵書に加え、電子書籍7,000点を備えた最先端の施設です。図書館の隣に書店も開業し、本の魅力を幅広く発信することで、地域貢献に努めています。

Episode 3

ゆめタウン誕生を機に、できあがっていく街

2004年に誕生した「ゆめタウン光の森」は、熊本県主導のニュータウン計画の一環として位置づけられ、ショッピングセンターとしての役割を果たすだけでなく、地域住民にとっての生活の中心として機能することが期待されました。シネマコンプレックスなど多様な店舗を備え、ユニバーサルデザインにも配慮された設計は、誰にでも利用しやすい空間を提供しています。
2006年には、JR「光の森」駅が開業。JR九州と協同で進めた事業のひとつで、パークアンドライドを推進しました。「ゆめタウン光の森」誕生を機に、新興住宅地であった光の森の店舗数・住宅数は加速的に増加。街づくりを担った役割の大きさ、地元住民への貢献が評価され、2008年には「第3回日本SC大賞2008」において地域貢献賞を授与されました。

2024年には駅とゆめタウンを結ぶ歩道橋が完成し、さらに利便性が高まりました。歩道橋の設置により、渋滞の緩和と交通事故を防止する効果が期待されています。また、所在地である菊陽町に台湾の半導体メーカーが進出し、移住者などが増えて人口が増加。一層盛り上がりを見せています。ゆめタウン誕生を機に、ひとつの街ができあがり、今も進化し続けています。

Episode 4

街の発展を見つめてきた「夢タウン」

2014年6月26日に開業したゆめタウン大江の看板には、漢字の「夢」が掲げられていました。「ゆめタウン」ではなく、珍しい「夢タウン」の看板。これは、従業員が書いた「夢」という字を気に入った故・山西義政名誉会長が看板に採用したため、実現しました。名誉会長が屋上駐車場の塀によじ登り、ゆめタウンを中心に成長していく街並みを眺める姿が印象的だったと、当時の店長は語ります。2020年にゆめマート大江に改称されるまで、「夢タウン」の看板は掲げられ続けました。
現在では病院やマンション、銀行やテレビ局が立ち並び、活気が湧いているゆめマート大江の周辺。開業10周年イベントの際に大江校区の方から、2016年4月の熊本地震で一早く店舗の営業を再開させたことについて、「ずっとお礼が言いたかった」と感謝状をいただき、今でも感謝してくださっていることに感激しました。地域と共に歩み、成長し、街を発展させていく。名誉会長が展望していた「夢」が、実現しつつあることが感じられます。

Episode 5

改めて感じた、地域と店舗の結びつきの強さ

瓶や缶が散乱した酒売場(ゆめマート田崎)

2016年4月14日午後9時25分、熊本地震の前震が発生しました。突然の巨大地震発生に、ゆめタウン・ゆめマート各店舗も大きな被害を受けましたが、少しでも地域の支えになるために、営業再開を急ぎました。売場の割れた瓶や、天井に取り付けられている案内を撤去し、床がひび割れた場所などには「通行止め」のポールを設置するなど、お客さまに危険が及ばないよう配慮を徹底。断続的な余震に避難を繰り返しながらも、15日午後にはイズミグループ33店舗中、28店舗の営業を再開しました。
また同日、熊本県や熊本市との「災害時における物資協定」に基づき、支援物資の提供を開始。道路の寸断や渋滞の中、合計57,880個のおむすびやパン、飲料が各地に届けられ、皆さまのお力になれたことは幸いでした。
被害が大きかった店舗も、営業再開に向けて、臨時店頭販売や駐車場への仮設トイレ設置など、できる限りの対応を実施。自身も被災し、困難な状況にある従業員も「お客さまのために」と出勤してくれて、多くのお客さまに対応しました。お客さまからかけられた「売ってくれてありがとう」との声に、地域との絆を強く実感することができました。

営業再開を心待ちにしていたお客さまでにぎわう(ゆめタウンサンピアン)

長期休業を余儀なくされた、ゆめタウンはませんとサンピアン。2店舗とも耐震工事を行い、まずは食品売場を中心に1階部分の営業再開を目指しました。元通りにするのではなく、よりよい売場を作ろうと意見を出し合い、生鮮食品の強化、惣菜の量り売りコーナーなどの充実を計画しました。いよいよ9月1日、ゆめタウンサンピアンの食品館が営業を再開。心待ちにしていた約400人のお客さまが列を作り、オープンと同時に買物を楽しみました。9月29日のゆめタウンはません1階オープンにも、テレビ取材が入るなど、大きな反響がありました。「きれいになったね」「買いやすいね」といった声や、再開を喜ぶ様子は、店舗と地域の結びつきの強さを改めて感じさせました。

Episode 6

地域の有力店を
新たな仲間に迎えて、
さらなる成長へ

2024年5月20日より、株式会社サンライフは株式会社イズミの連結子会社となり、大分県内の4店舗がイズミグループに加わりました。サンライフは地域密着型の食品スーパーで、大分県内での食品シェア拡大が期待されています。お客さまの要望でオリジナル惣菜の販売を再開した一方で、店舗に広島風お好み焼き用の鉄板を導入し、広島のソウルフード「お好み焼き」を売り込んでいくなど、地域のお客さまにお買物を楽しんでいただけるような店づくりを行っています。

2024年8月1日より、西友九州事業のサニー・西友69店舗をイズミグループの株式会社ゆめマート熊本が承継しました。福岡市に多くの店舗を持ち、地域に愛される「サニー」の屋号はそのまま継続され、約3,800名の従業員の雇用も引き継ぎました。イズミグループの既存店舗とは地理的に重複せず、店舗網の拡大により配送効率向上が期待されています。合理的な店舗運営など、これまでのノウハウを吸収しつつ、より良い店づくりを目指します。2025年1月30日には承継後初となる新店「サニー九大学研都市店」がオープン。イズミ従業員とサニー従業員が一丸となって、開店に向けて準備を進めました。